障害年金の対象となる精神疾患名

こんにちは。社会保険労務士の北村恭子です。

障害年金の書類作成の中で、最も大事だとされている「診断書」。

この診断書に医師が記入する病名が障害年金の審査において非常に重要になってきます。

障害年金はがん、呼吸器、肢体、目や耳、鼻、循環器系、血液などさまざまな病名で申請は可能です。

ただし精神疾患の場合、障害年金の対象となる病名と対象外の病名がありますので、注意が必要になります。

一概に精神疾患と言っても、どのような病名でも対象となるわけではありません。

それでは、精神疾患で障害年金を申請する場合の病名について解説していきます。

障害年金の対象となる精神疾患の主な病名

・うつ病、反復性うつ病、気分変調症
・双極性障害(躁うつ病)
・統合失調症、統合失調型障害、妄想性障害
・発達障害、広汎性発達障害、ADHD、自閉症スペクトラム
・てんかん
・精神遅滞、知的障害
・高次機能障害
・アルコール精神病
・アルツハイマー病の認知症

障害年金の対象外となる精神疾患の主な病名

以下の病名は原則障害年金の対象外とされています。

・不安障害、強迫性障害、解離性障害、人格障害
・適応障害
・パニック障害
・神経症
・抑うつ状態
・パーソナリティ障害

実際、パニック障害になりますと、ある特定の条件で発作が起きて過呼吸など自分ではどうにもできない状況になってしまうなどつらい症状がおこります。
さらに長期に渡って患っていらっしゃる方が多いのが現実です。

にもかかわらず障害年金の対象外となっていて非常に残念です。

ただし、このような障害年金の対象外の病名であったとしても、うつ病など障害年金の対象となる病気が併発している場合は対象になることがありますので、医師にご確認ください。

障害年金の診断書で重要なICD-10コード<受給対象>

診断書の左上に「障害の原因となった傷病名」とICD-10コードを書く欄があります。

診断書に医師が記入する傷病名(病名)とICD-10コードが障害年金をもらえるか否かの非常に重要な箇所になります。

ICD-10コードとはWHO(世界保健機構)が作成している、国際的な病気の分類です。

例えば、うつ病、双極性障害はICD-10コードはF-3 気分障害というグループに入っています。

主な病気
【気分障害 F-3】障害年金の受給対象
うつ病 F-32
反復性うつ病 F-33
双極性障害 F-31

【統合失調症関連 F-2】障害年金の受給対象
統合失調症 F-20
妄想性障害 F-22

【発達障害関連 F-8、F-9】障害年金の受給対象
自閉症スペクトラム
ADHD
発達障害

【知的障害関連 F-7】障害年金の受給対象
知的障害

【発作性障害 G-4】障害年金の受給対象
てんかん

高次機能障害 F-06 障害年金の受給対象

障害年金の診断書で重要なICD-10コード<受給対象外>

精神障害でも以下のICD-10コードが診断書に記入されると、障害年金の対象外になります

F-4 F-6のコードが入っていると原則として障害年金の対象外になりますので、注意ください

【神経症関連 F-4】障害年金の受給対象外
神経症
パニック障害
不安障害
適応障害
強迫性障害

【パーソナリティ障害 F-6】障害年金の受給対象外
人格障害
性同一障害

まとめ

診断書に障害年金の受給対象外のF-4 F-6のコードが入っていたとしても、受給の可能性がないわけではありません。

障害年金の対象となるF-2 F-3などの病名も併発していれば対象となることもあります。医師にご相談ください。
例えば、パニック障害でもうつ病が併発されているなどであれば、診断書の備考欄に書いてもらうなど医師に依頼ください。

医師に診断書を作成頂いたら、診断書に記入されている病名、ICD-10コードは必ず確認してください。

診断書にF-4 F-6のコードが記入されていたら、注意が必要です。

selective focus photography of pink and white petal flower
Photo by Pixabay on Pexels.com