2026年5月
受給事例
以下「障害厚生年金2級」【統合失調症】の受給事例についてご説明します。
統合失調症は、幻覚や妄想、意欲の低下、思考や感情のまとまりにくさなどがみられ、日常生活や社会生活に大きな影響を及ぼすことがある病気です。
今回、ご本人は、過去にうつ病で精神科を受診したことがありましたが、約半年間の通院後、症状が改善し、その後約7年間は医療機関を受診していませんでした。
その間、会社員として働き厚生年金加入、海外旅行や海外での結婚式、親戚との集まりなど、通常の社会生活を送っていました。
しかし、その後再び精神科を受診し、複数の医療機関で治療を受けるなかで、統合失調症と診断されました。
初診の受診時は国民年金加入中でしたが、再受診時には厚生年金に加入していたため、社会的治癒が認められるかどうかによって、障害年金の請求内容や受給金額が変わる事例でした。
本件では、
👉 「7年間の未受診期間における社会的治癒の証明」と「当時の生活状況を裏付ける客観的資料の提出」
が重要なポイントでした。
- 病名
-
統合失調症
- 地域
-
千葉県千葉市
- 年齢
-
40代
- 性別
-
女性
障害厚生年金2級
年金額:約147万円
(子の加算含む)
(年金生活者支援給付金 5,450円/月)
障害年金相談時の状況
ご本人は以前、うつ病で約半年間通院していましたが、症状が改善し、その後約7年間は精神科を受診していませんでした。
この期間には海外旅行や結婚式などの出来事もあり、社会生活を送っていたことが確認できました。
その後、精神科への通院を再開しましたが、症状が悪化し、最終的に統合失調症と診断されました。
問題となったのは、以前のうつ病による受診と、その後の統合失調症による受診を、障害年金上どのように取り扱うかという点でした。
以前の受診を初診日とすると障害基礎年金の対象となりますが、7年間の未受診期間について社会的治癒が認められれば、厚生年金加入中の再受診日を初診日として障害厚生年金を請求できる可能性がありました。
障害年金請求までのサポート
①過去の通院歴と初診日を整理
ご本人は過去にうつ病で通院していましたが、当時の医療機関にはカルテが残っていませんでした。
一方、約7年後に受診した医療機関から取得した受診状況等証明書には、過去の通院歴とともに、症状が改善していた旨の記載がありました。
そこで、これまでの受診歴と治療経過を整理し、社会的治癒の可能性を検討しました。
② 海外旅行や結婚式の写真を社会的治癒の資料として提出
社会的治癒を主張するためには、単に長期間通院していなかったことだけでなく、その間にどのような生活や就労をしていたかを示すことが重要です。
今回、ご本人は約7年間精神科を受診しておらず、その間は継続的ではないものの、会社員として勤務し、厚生年金にも加入していた期間がありました。
また、2番目の医療機関から取得した受診状況等証明書には、初診の医療機関での治療について「休養後改善した」との記載がありました。
さらに、当時の社会生活の状況を裏付ける資料として、
- 海外旅行の写真
- 海外での結婚式の写真
- 親戚との集まりの写真
を用意しました。
写真には撮影時期や当時の状況が分かるよう説明を加え、ご本人以外の方についてはプライバシーに配慮して黒塗りしたうえで提出しました。
👉 「休養後改善した」という医証の記載、約7年間の未受診期間、就労歴、当時の写真などを組み合わせ、社会的治癒を裏付ける資料として提出しました。
👉 『日常生活能力の低下(精神の障害年金の重要な判断基準)』が伝わるよう、病歴就労状況等申立書へ丁寧に反映しました。
③ 社会的治癒を主張して障害年金を請求
障害年金では、過去に同じような傷病で通院していた場合でも、長期間にわたり治療の必要がなく、通常の社会生活を送っていたと認められるときは、「社会的治癒」が認められることがあります。
本件では、過去の通院歴、受診状況等証明書、7年間の未受診期間、当時の生活状況を示す写真などを整理しました。
そのうえで、
👉 社会的治癒を主張し、厚生年金加入中の再受診日を初診日として障害厚生年金を請求しました。
また、社会的治癒が認められない場合も考慮し、障害基礎年金と障害厚生年金の請求を同時に行いました。
障害年金の結果
審査の結果、
👉 社会的治癒が認められ、障害厚生年金2級
が認定されました。
年金額は、
👉 約147万円(子の加算含む)
となりました。
さらに、年金生活者支援給付金も認定されました。
過去の精神科受診歴があっても、長期間にわたる未受診期間と、その間の社会生活の状況が評価され、厚生年金加入中の再受診日を初診日として認められた事例です。
<お客様からの声>
◆依頼した理由やきっかけ
自分が障害年金の受給ができるのか知りたかった。
◆依頼後の感想(対応、コミュニケーションの取りやすさなど)
最後まで親身になって相談に乗っていただき、安心してお任せすることが出来ました。
統合失調症の受給ポイント
・過去に精神科の受診歴がある場合は、初診日の整理が重要
・長期間の未受診だけでなく、その間の生活状況も確認する
・旅行や結婚式などの写真が、社会的治癒を裏付ける補足資料になる場合がある
・社会的治癒が認められるかどうかで、障害年金の種類が変わることがある
👉 「長期間通院していなかった」という事実だけでなく、「その間にどのような社会生活を送っていたか」を具体的に示すことが重要です。
過去に精神科の受診歴がある方へ
今回のように、
・過去にうつ病などで精神科を受診していた
・その後、長期間通院せずに生活していた
・通院していない期間に仕事や旅行、結婚などをしていた
・再び精神科を受診したときには厚生年金に加入していた
という場合には、社会的治癒を検討できる可能性があります。
ただし、
👉 長期間通院していないだけで、自動的に社会的治癒が認められるわけではありません。
・過去の治療がどのような状態で終了したのか
・未受診期間に治療や服薬の必要がなかったか
・その間、どのような日常生活や社会生活を送っていたのか
・どの時点を障害年金上の初診日とするのか
これらを適切に整理する必要があります。
👉 社会的治癒を主張する障害年金請求は、初診日の判断や証拠資料の準備が複雑になることもあるため、社会保険労務士などの専門家へご相談いただくことをおすすめします。
障害年金の申請方法がわからないという方は、弊事務所 「bio社会保険労務士事務所」 までご相談ください。一人ひとりの状況を丁寧に確認し、障害年金の申請をサポートいたします。
